利益相反の有無（取締役会決議の要否）

　　
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│　ｘ社　　　　　│　　　　│　ｙ社　　　　│　　　　│
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│ａ取締役　　　　│　　　　│甲取締役　　　│　　　　│
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│ｂ取締役　　　　│　　　　│乙取締役　　　│　　　　│
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│ｃ代表取締役　　│必要　　│ｃ代表取締役　│必要　　│　……解説①の事例
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│ａ取締役　　　　│　　　　│甲取締役　　　│必要　　│　……解説②と③の事例
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│ｂ取締役　　　　│　　　　│乙取締役　　　│　　　　│
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│甲代表取締役　　│不要　　│ｃ代表取締役　│　　　　│
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┌────────┬────┬───────┬────┐
│ａ取締役　　　　│　　　　│ａ取締役　　　│　　　　│
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│ｂ取締役　　　　│　　　　│ｂ取締役　　　│　　　　│
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│ｃ代表取締役　　│不要　　│甲代表取締役　│不要　　│
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│ａ取締役　　　　│　　　　│　　　　　　　│　　　　│
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│ｂ取締役　　　　│　　　　│　　　　　　　│　　　　│
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│甲代表取締役　　│必要　　│甲本人　　　　│　　　　│
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│ａ取締役　　　　│必要　　│ａ本人　　　　│　　　　│
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│ｂ取締役　　　　│　　　　│　　　　　　　│　　　　│
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│甲代表取締役　　│　　　　│　　　　　　　│　　　　│
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　◆７（ハ）　兼任取締役間の取引
　　あるものＡが甲・乙両会社の取締役を兼ねている場合、両会社相互間の取引につき、①Ａが甲・乙両会社の代表取締役を兼ねているときには、両会社の取締役会の承認が（東京地判昭３６・９・１１下民１２巻９号２２２７、同昭３７・６・１９判タ１３６号５６）、②Ａが甲会社の代表取締役で乙会社の平取締役を兼ねているときは、乙会社の取締役会の承認だけでよく、また反対に、③Ａが乙会社の代表取締役であって甲会社の平取締役の場合には、甲会社の取締役会の承認が必要となる。しかし、④Ａが甲・乙両会社の代表取締役を兼任しているときでも、甲・乙両会社とも他の代表取締役がそれぞれ会社を代表して取引をなし、Ａが直接その取引に関与しないときにはいずれの会社においても原則的には、いずれの会社においても原則的には取締役会の承認の開題は生じない。
　　ただ兼任取締役と会社間の取引でも、両会社の関係が一方か他方の会社の全株を所有する親子会社または実質的にそれと同視される関係にある場合には、形式上は別として実質的には完全同一体であり、その間に利益相反の問題は生じないので、異論はあるにしても本条の問題とはなりえないことは（同旨、河本３７６、神崎２９０）、すでに一人会社についてのべたとおりである。
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