そうか、「多動力」というのは、あれもこれも手を出す力のように思えるが全く違う。自分にしかできないこと、自分がワクワクすることだけを選び取る力なのだ。こうやってホリエモンの本を編集者である僕が書いているのもまさにホリエモンの「多動力」なのだ、と本質的に理解した。

 僕はホリエモンが動かない時間も彼の分身になって本を書いて彼の考えを世界に伝えている。ホリエモンはホリエモンにしか作れないカルピスの原液のようなものを作って、僕のような分身がその原液を薄めて、世界にばらまいているのだ。だから傍から見れば一人の人間がやっているとは思えない数の仕事をすることができるのだ。
 つまり「多動力」の本質とは「不動力」。
 自分にしかできないこと以外は周りにふりまくるカのことだ。
 こういった著者が発するメッセージの本質は、よほど読解力があるか、切実な問題として読書をしていないと見抜けない。

 しかし本を編集していると文章の中に1文字でも膀に落ちないところがあると気持ちが悪くて、出版したくなくなる。一文字一文字を身体に染み込ませるようによく考える。真剣に言葉と向き合っていくから、言葉の裏にある著者自身でさえも言語化できていない真理が見抜ける。
 僕は誰よりも自分が作った本の真理を理解し、体現してまさに化身となる。
 たった一人で熱狂し、空気を読まず、多動力を発揮し、己を奮い立たせながら、お金2・0の発想でビジネスをしている。