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 たとえば、股関節の状態が悪いと、人は無意識に股関節をかばいながら動こうとします。その負荷は、主にひざと足首に加わり、その状態が続くとひざ痛や足首の痛みとなつて現れます。

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 グッド歩行は、私のクリニックで行っている手術後の患者さんのリハビリテーションをベースにした医学的な見地からも合理的で股関節に負荷をかけすぎない歩き方です。
 方法はいたって簡単で、ポイントは「かかとから着地して歩く」こと、これだけです。

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 衝撃をかかとで吸収するイメージでかかとから着地し、重心の移動を足の裏全体で感じながら歩いてください。左右の足でリズミカルにこれを繰り返すことで、グイグイと前方に進んでいく感覚がつかめると思います。

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 上半身がきちんと上に向かって伸びていると、上半身の重さが骨盤の上にまっすぐに乗るので、腰や首、肩などの関節にかかる負荷はもちろん、下半身の関節にかかる負荷も小さくなります。ところが、重心が前後どちらかに傾いてしまうと、バランスが崩れ、股関節やひざ、くるぶしなどに余計な力がかかることになってしまうのです。

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 その筆頭が、体重が重い人たちです。体重が重い人ほど関節にかかる負荷が大きくなるため、関節を傷めやすいのです。つまり、股関節をいい状態に保つ最も有効な方法は、体重の管理ということになります。

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 ところが、日本では高齢になるとタンパク質の摂取量が減っているのが現状です。年をかさねるにつれて、必要とされるエネルギーは減少して、自然に食が細くなりますが、タンパク質の必要量は、若い人と高齢者とを比べてもそれほど差がありません。

 ということは、年齢をかさねるほど、食事の中に占めるタンパク質の割合を大きくしなくてはならないということです。