3 営業社員が調査する項目
検討項目 —3(取引不可) —2(要注意) —1 0 +1
1 知的能力 80 90 110 120
 あまり優秀とも思えない経営者が事業を伸ばしているという例外はありますが、やはり優秀な経営者が事業を伸ばすというのが社会の常識。経営者としては、ありえないこととありうることとの区別ができることが重要。詐欺師はありえないことをあり得ることのようにもち掛けてきます。
2 営業能力 80 90 110 120
 体が丈夫なこと。印象が誠実なこと。数え上げればきりがないですね。
3 人事能力 80 90 110 120
 大企業と比較して2ランク落ちる社員を働かせて利益を上げる能力です。
4 経理能力 80 90 110
 この頃は経理がわからないということは自慢話にはならない。少なくとも経理が重要であるという認識ぐらいは必要です。
5 個性 楽観的・優柔不断 危険も考慮
 この頃多くなってきたのが経営者としての資質のない経営者。というより、経営者としての資質のない経営者では経営ができないくらい世の中が厳しくなったというべきでしょうか。
6 時間を守るか 守らない 守る
 倒産した人は必ずといっていいほど時間を守らなくなる。
7 約束を守るか 守らない 守る
 ちょっとした行動がその人の人格傾向を表すことが多い。
8 世評 悪い よい
 人がよいとの世評は無能であるとの評価を意味することがある。
9 交際 事件屋の名を出す 政治家の名を出す
 相通じるところがなければ交際は続かない。ビジネス以外の力でビジネスを動かそうとする傾向。
10 妻の印象 悪い よい
 夫婦は似るもののようで。
11 兼業の有無 不動産・貸金業 その他兼業   兼業なし  
 不動産業とか貸金業の経営ができる経営者の個性が問題。並の能力では1業種の経営が精一杯。
12 現在地に事務所を開設してからの年数 2年未満 2年以上
 小さくなったか、大きくなったか、いずれにしても安定はしていない。経営者の能力を超えてしまう急成長は連鎖倒産への一里塚。貸倒の危険を考えたら利上げは急激には増やせません。
13 女性職員の態度 悪い 普通 よい
 職員の印象は経営者の鏡。
14 経営者に対する社員の態度 尊敬されている
 経営者は社員からは尊敬されるもの。それが尊敬されていないようでは。
15 社員の勤続年数 短期 長期
 特に経理社員が居着かないようでは。
16 社員の能力 並以下
 優秀な人はスペースシャトルを作れるが、そうでない人は100年かけてもスペースシャトルを作れない。
17 事務所の所在地、規模 過大 適正
 自分の能力も知らない経営者が多くなっている。
18 従前の取引先も与信を継続しているか いない 縮小
 倒産会社の債権者の中には、新規に取引を始め1回も代金の支払を受けていないという債権者が必ず何社かある。従前の納入業者が取引を打ち切り、あるいは取引縮小目的で取引条件を厳しくしてきたための新規取引でないことを確認する。
19 支払日は一定か 不定 一定
 業績が落ちると経理から乱れる。
20 手形期日は月に1回か 不定 一定
 月に何度も手形の期日が来たら落ち着いた資金繰りはできない。あるいは落ち着いた資金繰りができないから手形期日が不定なのか。
21 支払い延期を申し込まれたこと あり なし
 支払い延期の申込みを受けたら末期症状と考えて行動すべきでしょう。
22 手形期日 長い 適正
 もし資金がないのであれば倒産が間近。もし資金があるのに期日の長い手形を発行するようであれば経営者の個性が問題。
23 大口の資金需要 あり なし
 多額の貸倒を受けたか。本社を建築したか。設備投資をしたか。いずれにしても順調にいかなかったときが心配。
24 社員の使い込み等不祥事 あり
 資金不足を生じさせる可能性。使い込みができる社内の空気が問題。
25 営業規模の成長 急成長 成長なし
 成長なしが当たり前。急成長は急降下と同じこと。
26 裁判の係属の有無 被告として 原告として なし
 トラブルに巻き込まれること自体が問題。仕入先に代金を支払わない傾向。裁判までいかなければことが解決できない人柄と能力。
27 10年以内の倒産歴 あり
 2度あることは3度ある。倒産は偶然に起きるのではなく、経営者の人柄と能力に応じて必然的に発生するもの。
28 個人からの借入 あり
 銀行からはすでに融資を受けられない状態。
29 町金融からの借入 あり
 直ちに取引打ち切り。町金融の金利が高いということよりも町金融を利用できる経営者の神経が問題です。

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