続々・税理士のための百箇条 amazon
  


 「資産税コンサル、一生道半ば・本郷尚著 清文社」に収録された本郷尚氏との対談で、私は次のように語りました。

 「ひとつ付け加えると、若い税理士さんはやはり知識を学ばなければなりません。本の知識だけでなく、現場からどれだけの知識を吸収するかが大事です。他人の人生を、これほど深く幅広く知ることができる仕事はほかにありません。人生の深みも人生の起承転結も知ることができる。そういう意識をもって観察していると『人生は必然性だ』ということが分かります。だから、自分の必然性がどういう将来をつくり出すかを学習するために、人の必然性をしっかりと観るべきです。ほかの人の人生を観て、自分の人生を考え抜いてこそ、お客様の人生にもアドバイスできるようになるのだと思います」。

 商業高校の卒業を迎えた18歳の頃、市役所に勤めるか、民間会社に勤めるか、会計事務所に勤めるか、それが私の職業の選択だったのですが、いまふり返ってみると、税理士を目指して会計事務所に勤めた18歳の決断は人生の選択だったのだと思います。

 18歳の決断が、その後の人生の必然性を作り出したのか、あるいは、いま遡って、全ては必然性の結果だったと考えるのか。いずれにしても、私には、これ以外の必然性は存在しなかったように思います。人生の必然性が見えれば、自ずから決断の方向は見えてきますし、判断を間違えることもないはずです。
                                        
 この考え方を200項目について拾い上げたのが「税理士のための百箇条」「続・税理士のための百箇条」の2冊ですが、更に進歩したネットの時代、AIの時代、高齢化の時代に、どのようなスタイルで税理士事務所を経営し、自分の人生を構築すべきか。2冊の書籍の続編に位置するのが本書です。