私たちは税法と税法関連業務の情報を交換するメーリングリストを開催しています。平成１１年１月５日に開始したメーリングリスト（taxML）で、１日の発言数は３０から１５０ほどです。それら議論の中から生まれたのが雑誌への連載、数冊の書籍の執筆、それに業界の講演会講師として活躍する人たちです。

　そのtaxMLの会話の中で話題になったのが、最近は大きな税制改正がないためか、税法雑誌には読むべき記事がない。しかし、事件は現場で起きているのであって、現場こそが実務の最先端の情報の宝庫。だからこそ現場から情報を発信すべきではないのか。

　その趣旨でtaxMLの日々の議論を切り取って作成したのが本書です。申告業務など地べたの税法を扱う税理士、会計士、弁護士が日々の疑問を読み解いた一冊で、本書は実務家の議論を書き留めたいわば「私語録」です。