平成30年11月15日出版 amazon
  

 前著は多数の方々の評価を得て驚くほどの販売部数を達成しました。私たちは、日々、taxMLというメーリングリストで実務の知識と情報をやり取りいしてますが、そこで議論してる実務の知識が評価されたものと喜んでおります。今回は、民法相続編の改正を受けて、その部分を加筆したことと、その他の項目についても前著の出版後の実務を加筆し、民法相続編についての民法と税法の基本書を目指しました。3分の1を民法の解説、3分の2を税法の解説にするという前著の方針は維持されてます。

 民法相続編と資産税は、ただ、条文を理解するだけではなく、その条文の立法趣旨を理解し、さらに相続に関する自分の価値観を樹立し、かつ、それを実感として味わえるまで学習しなければ良きアドバイザーにはなれません。可能な限り、それらを書き込むべく努力をしましたが、その一方で、常識的な法律解釈を離脱しないように調整し、現場の実務に必要な知識として整理したのが本書です。

 逐条解説ですから、一度に、本書の全てを読む必要はなく、本書を手元に置いて頂き、必要の度に、必要な項目を読んで頂くことでも支障はありません。ただ、民法相続編を全体と学習するのであれば、本書の民法編だけを読んで頂ければ数時間の努力で読み通すことが可能です。それに加えて税法も理解してしまいたい。その場合は税法編も読んで頂く必要がありますが、おそらく、その場合は、税法の理屈に取り込まれて、面白くて本書が手放せなくなってしまうはずです。

 私たちは、知識は面白い、実務は面白いというスタイルで、日々、実務の議論を続けています。本書から実務の面白さを理解して頂けたら執筆の努力が報われたことになります。

 ただ、民法の改正部分については、まだ、実務が存在しないことと、条文の解釈についても参考書籍が出版されていないことから、私共の独自の見解になっていることを怖れます。その意味では、民法改正が実務に定着してから執筆することも考えましたが、アドバイスは、常に、先行する知識を必要とします。そのための無謀な挑戦としてご容赦頂きたいと思います。