実践から語る不動産賃貸業

第1章 理念編


  賃貸業の目的を区別すべき
    1 賃料収入を稼ぐのが目的なのか。
    2 いざという時の予備プランとして賃貸業を経営するのか。
    3 老後の生活の予備プランとして賃料収入を確保するのか。
    4 相続税の節税策として賃貸物件を取得するのか。
    5 余剰資産の運用なのか。
    6 土地値上がり益の確保なのか(昭和の時代)。
    7 賃料収入で自宅を建築するのか(自宅併用賃貸)。
    8 相続で承継した賃貸物件なのか。
  賃貸業は難しい
  …… 10年先、20年先の市場と物件価値、管理費用などを予測する必要がある。
  …… 購入して終わるのではなく、購入したときからスタートするのが不動産賃貸業。
  …… 隠居者が内職としてアパートを管理する時代は終わり、今はビジネスです。
  …… 市場や、内装、ビル管理などについてノウハウを磨き上げるセンスが必要です。
  …… 10年先、20年先を予測するという意味で、税理士業より難しい商売です。
  感性が必要
  …… アパート経営についての美意識がないと楽しいアパート経営はできません。
  不労所得が必要
  …… 60歳までの働く30年と、その後の働かない30年が存在する長寿の時代。
  …… アパート経営は難しいのですが、しかし、それ以外の不労所得は存在しない。
  …… 働かない30年に備えて、働く30年に確保してしまうべきがアパート投資。
  …… 働かない30年になった人達に、社会との接点になるのがアパート経営です。
  …… 60歳になってから新たに賃貸物件を建築するのは手遅れで危険な投資です。
  …… 60歳で借金の返済を終えているか、終える確かな見込みを確保しているか。
     長寿の時代、いざという時に売れば資金になるのがアパートという予備資産。
  …… アパート投資は、カネ儲けの手段ではなくリスクに備えた人生の予備プラン。
  地震を心配する
  …… アパート投資について地震リスクを持ち出す人達がいますが、これは間違いです。
  …… 500年に一度の地震がくる前に100年に一度の自分の寿命が終えるはずです。
  サラリーマン大家さん
  …… サラリーマン大家が資産総額10億円、賃料収入8000万円と宣伝しますが、
     負債総額10億円、賃料収入8000万円であって時代の変化で頓挫してしまう。
  …… エクセルで採算を計算した自転車操業的な拡大投資で生き残った大家は存在しない。

第2章 購入編


  不動産投資の成否は取得が決める
  …… 取得の時期、取得の場所、所得の値段の3点で不動産投資の成否が決まる。
  利回りの低い物件を選べ
  …… 投資の目標を考えるべきがアパート投資。
  …… 老後の収入を考えるのなら利回りの低い物件を選ぶ。
  居住用か、オフィス用か、店舗用か。
  …… オフィスや店舗は、立地を間違えると誰も入居しない。
  …… 小さなビルに入居する小さな会社には不安定さがある。
  …… 居住用なら、賃料を下げれば入居者が確保できる。
  …… 居住用に比較し、事務所や店舗の家賃が高い時代は終わった。
  友人に自慢できる物件を選べ
  …… 物件を紹介されると悩んでしまう。
  …… その際の選択の基準は友人に自慢ができる物件か否か。
  …… 建物が魅力的か、地域が魅力的か。
  …… 散歩している犬が雑種の柴犬か、洋犬か。
  …… 緑(樹木)の多い森の中の町か。
  …… 駅前にあるのはパチンコ屋とサラ金か、花屋とパン屋か。
  …… 自慢できる物件でないと、自分自身で好きになれない。
  駅からは歩いて10分
  …… 自分が居住する自宅なら駅から20分でもok。
  …… しかし、賃貸物件なら駅から10分が限界だろう。
  土地勘を磨け
  …… 坪200万円が高すぎるか否かが分からなければ土地は買えない。
  …… 正当価額か否かには地域性がある。
  …… 素人は投資する予定の地域を絞り、土地勘を磨く方が安全です。
  投資は都内23区内の土地に限る
  …… アパート投資は20年、40年先を見た商売。
  …… 人口減少の時代に地方都市への投資は破綻が見えている。
  …… 人口が減少すれば、都心の人口は増える。
  …… 投資が可能なのは23区内に限る。
  …… 埼玉、千葉、東京の郊外のアパート投資のほとんどは失敗事例。
  自宅と賃貸物件の坪単価は異なる。
  …… 自宅は採算性を無視した建築が可能なので坪300万円の土地でもok。
  …… 賃貸物件は最低限の採算性を考える必要があるので坪単価には限界がある。
  不動産の取得にはストーリーがある
  …… エイヤーと、土地の取得を決断するのは間違い。
  …… 不動産を取得するに至る必然性がある。
  …… 購入すると決めて物件選択をするのは間違い。
  …… 縁を感じる物件が登場するのをじっと待つ。
  特殊物件に惚れ込むな
  …… 特殊物件にある掘り出し物の魅力に騙されるな。
  …… 特殊物件という山の頂上ではなく、誰でもが購入するすそ野の物件。
  …… 誰にでも転売できる流動性コストの低い物件が投資の鉄則です。
  ファミリータイプはリスクが多い
  …… ワンルームは仮の宿なので借家人の要求が少ない。
  …… ワンルームの入居者は生活に苦労していない人達です。
  …… ファミリータイプは入居者の確保や設備への苦情で苦労する。
  …… 都心部のファミリータイプは賃料も高額で入居者にも無理がある。
  マンションへの一室投資は素人の投資
  …… ワンルームマンションの本当の客は、そのマンションを購入する投資家です。
  …… 販売業者の利益が乗った割高になってしまう物件です。
  …… コガネ持ちでも買える物件で余剰利得を稼ぐことは困難。
  …… ビル全体のメンテなどが他人任せになり愛着も湧かない。
  …… 空室中も管理費が必要になるマイナス財産になってしまう。
  住まいの近場への投資が一番
  …… 土地勘があれば物件の選択を間違えない。
  …… ゴミや、照明設備などの故障が目に見えて管理が容易。
  …… 1年間、賃貸物件を見ていなかったという投資は間違い。
  自宅の敷地の有効利用は失敗
  …… 土地のコストを無償と考えての採算計算は油断の元。
  …… 余っている土地を有効活用するという甘い採算は命取り。
  …… 自宅の敷地に賃貸ビルを建築し、その最上階を住まいにするのは間違い。
  …… 土地所有者がアパートを建築するサブリースは土地のコストを無視している。
  …… サブリース計算で建築すると、いざ転売の場合は建物代金になってしまう。
  ワンルームマンションにも進歩がある
  …… 3点セット、オートロック、バストイレ別とワンルームも進化する。
  新築に惚れ込むのはウブな証拠
  …… 新築物件は翌年には中古物件になってしまう。
  …… 中古物件には賃貸の歴史と実績があるので安心できる。
  バブル崩壊が失敗者と成功者を生んだ
  …… 平成元年と平成7年のバブル時にビルを新築した人達の全員が破綻した。
  …… 新築物件を建築して失敗した家主の物件を買った者のみが成功した。
  不動産投資に冒険は不要
  …… 20年の生活に影響を与える判断に決断は不要。
  …… 計画の8割、あるいは7割の実績でも生き残れる投資に限る。
  採算性は、細かい数字ではなく、大きな数字で考える
  …… 予想した収益の8掛けを想定すべきです。
  …… 積み上げた数字の2倍のコストを想定すべきです。
  不動産投資にはホップ、ステップ、ジャンプが必要
  …… 小さな物件を購入し、まず、賃貸業の基礎を築く。
  …… 小さな物件の収入で、中くらいの物件を取得する。
  …… 小さな物件と、中くらいの物件の収入で、大きな物件を取得する。
  ファンド物件はカネが好きな人達の物件
  …… ファンドの人達が建築した物件は利回り優先の不良物件。
  …… フリーレントなどで見せかけ上の賃料利回りを増やす詐欺物件。
  雑種の柴犬が散歩している地域を選ばない
  …… 洋犬が歩き、パン屋と花屋がある駅を選択する。
  …… 利回り優先ではなく、賃貸業としての自負心を優先する。
  利回りに騙されない。
  …… 小さな部屋を大量に詰め込む新築物件で利回りを上げる業者がいる。
  …… そのような業者が建築した建物は壁が薄いなど建築費で稼いでいる。
  …… 建築費で稼いで、高利回り物件として売却するビジネスモデル。
  …… シャワーのみでバスも置かず、ギリギリまで部屋を狭くして部屋数を稼ぐ。
  …… 家賃利回りを8%乃至9%まで引き上げるが、建物としての価値は無い。
  …… 入居者の質を限りなく低下させる物件であり、5年後にはお荷物になる。
  自分が住みたいと思う地域を選ぶ
  …… 自分が住みたい町に、借家人にも住んで貰う。
  …… 地方から出てきて都心に住むのはステータス。
  …… 良い物件を賃貸するのでなければ大家業は面白くない。
  売出し物件には歴史がある
  …… 最初の建築者の思いと、その後の管理の思いが読み取れる。
  …… 売却の動機を知れば、賃貸物件の良否が判断できる。
  成功を想定しない物件の選択
  …… 賃貸物件を建築して自宅を失う人達は多い。
  …… 失敗しても、命取りにならない投資判断が必要。
  不動産投資にも分散投資
  …… アパート投資の最大のリスクは自殺と殺人事件。
  …… 大きな物件ではなく、小さな複数の物件がリスク回避。
  …… ワンルーム、ファミリータイプ、建築年数などの分散が必要。
  出口を考えた物件の選択
  …… 売却できない物件は資産とは言わない。
  …… 私道、崖地、旗竿地は3割安くてもダメ。
  …… 売れない物件は資産とは言わない。
  …… 私道には、どういうわけか植木鉢と自転車が止められて汚くなる。
  …… 接道義務を満たさず、あるいは限界の土地は売れない。
  …… 崖地は擁壁工事をしないと建物が建築できない。
  …… 擁壁工事は1000万円単位の費用がかかると覚悟すべき。
  建築と改築時の注意点
  …… ウォシュレットのある生活をしていた人達が入居者になる。
  …… IHクッキングヒーターにすれば火災の心配が減る。
  …… 窓をペアガラスにすれば結露が生じないので部屋が汚れない。
  不動産の仲介業者は大手に限る。
  …… 彼らは中小業者と異なり、多数の物件を扱うので無理をしない。
     大きな金額の買い物なので無理は禁物です。
     さらに、大手を利用するメリットが多様な保証制度。
    @ 建物の瑕疵保証 雨漏り、給排水の故障について2年の保証
    A 設備の瑕疵保証 エアコン、ガス給湯器について2年の保証。
    B 土地の擁壁確認 擁壁が、そのまま利用できるかを調査する。

第3章 賃貸編


  仲介業者の選択
  …… 18才、22才の青年達が訪問したくなる仲介業者はどこだろうか。
  …… 地場の不動産業者を18才の少女は訪問しません。
  …… ネットの時代には、先にネットで物件を見付けてから業者に連絡をします。
  …… 住みたい町を路線で選択するという行動原理があります。
  …… 大手の業者は自社管理物件を優先するという欠点があります。
  管理業者に依頼すべきか
  …… 可能なら、賃貸ビルの管理はオーナー自身が行う。
  …… 他人任せにすると、ビルは汚れ、メンテは先送りになってしまう。
  …… 業者任せのビルは新築後20年で完全なる中古ビルになってしまう。
  …… 大手のPM(プロパティマネージメント)は賃料の15%の管理手数料を請求する。
  …… 担当者は自分で賃貸業を経営したことがない素人なのでアドバイスは期待できない。
     管理業者は家賃の不払いのみを考慮し、借家人のグレードを考えずに貸室を埋める。
     管理業者に任せたら建物の現状と借家人の現状把握についての熱意が薄れてしまう。
     日々の小さな不満を拾い上げ小さな不満の内に対応してしまうのが信頼関係のキモ。
     借家人の募集状況や質の変化など時代の変化について常に情報を得る楽しみがない。
  女性限定
  …… 女性限定は、市場を2分の1にしてしまう。
  …… 音大生専用マンションでは市場を100分の1にしてしまう。
  …… 「専用」を宣伝して入居者を募集すると、その後の「専用」の廃止は不可能。
  賃料の設定
  …… 入居者はネットに条件を入力して貸室を探す。
  …… ヒットする条件と賃料水準であることが必要。
  …… 6万9000円と7万1000円では選択基準が異なります。
  …… 検索ソフトで、どの程度のヒットになっているかを業者に確認する。
  賃料の相場
  …… ワンルームなら地域の基本的な賃料6万円を前提にして、
    1 部屋が広めなので3000円の追加、
    2 トイレと浴室が別で、洗濯機が室内なので3000円の追加
    3 浴室乾燥とウオッシュレットがつくので3000円の追加、
    4 駅近なので3000円の追加
    5 新築、築浅物件なので3000円の追加
    6 オートロックなので3000円の追加と賃料相場は増額される。
  …… 最低額が5万円だとして、最高額になっても8万円は超えない。
  …… 単身者用なのに賃料が15万円という高級物件は家賃補助がないと入居できない。
     家賃補助がある上場会社のサラリーマンに限定された賃貸業は市場が狭くなり、
     会社が家賃を支払う人達はコスト感覚が無いので建物が古くなれば入居しなくなる。
  生モノの販売が賃貸業
  …… 昨日の刺身は、今日も売れるかもしれません。
  …… 昨日の空き室は、今日は売れません。
  …… なぜ、借家人が申し込んでこないのか、それを考えるのが家主の仕事です。
  入居者の信用調査
   1 入居申込書に嘘がないこと
  …… 借家人の氏名でネットを検索してみる。
   2 会社の勤続年数
  …… サラリーマンにとって失って困るモノは会社との関係。
   3 会社の実在性
  …… 会社謄本の申請+電話をしてみる。名義貸しもあるので注意。
   4 保証人の勤務先の会社謄本や保証人の住所をgoogleで確認する。
  入居者が行方不明になった場合などは保証人が最後の繋ぎです。
  …… モノを残されると困るのですが、保証人なら引き取ります。
  保証業者を付けるか
  …… 保証は1年分の賃料に限りますので、金額的な意味は少ない。
  …… しかし、保証業者のブラックリストには魅力があります。
  …… ファミリータイプの賃貸にはブラックリストの利用が有効です。
     ブラックリストに登録されるという心理的な牽制効果も大きい。
  他の入居者との調和にも配慮
  …… 各々の物件に似合う賃借人に入居して貰う。
  …… ワンルームなら学生か若いサラリーマンです。
  …… 廊下ですれ違う人達は同質であることが必要です。
  …… 居住用マンションをオフィスに使わせるのは間違いです。
  …… 隣の部屋の入居者が自分と異質だったら生活するのが苦痛になってしまいます。
  …… そこに居住する最低レベルの入居者に合う人達しか残りません。
  …… オフイスビルにサラ金を入居させたら他のテナントが退出してしまいました。
  ゼロゼロ物件の時代が終わった
  …… 質の悪い借家人が入居してしまう。
  …… 礼金は不要でも、1ヶ月の敷金は必要でしょう。
  更新料は時代に遅れた制度
  …… 家賃が値上がりする時代の名残と考えるべきです。
  メンテは完全に終えて内覧できるようになってから業者に依頼する
  …… 入居者は5分で入居を決定します。
  …… 最初に紹介されたテナントに決断して貰う必要があります。
  …… 仲介業者は、一度紹介すると、一巡するまで次を紹介しません。
  …… 仲介業者が、仲介しやすい物件を心がけることです。

第4章 契約の管理編


  家賃の請求
  …… 不動産賃貸業は女性の仕事です。
  …… 家賃の請求など、男よりも、女性の方が請求に角が立たない。
  …… 本業を持つ男が、片手間で担当するのでは管理が面倒になります。
  …… アパート管理を楽しむ専業者が存在しないと、不動産投資は困難です。
  賃料の延滞は5日まで
  …… 1ヶ月の滞納を認めればそれが実績になり、滞納を認める家主になってしまう。
  …… 2ヶ月分の滞納、3ヶ月分の滞納を認めることで、借家人を教育してしまう。
  …… 滞納を認める家主の善意が、結局は、滞納を続ける借家人の悪意を育ててしまう。
  延滞が2ヶ月になったら回収不能
  …… 延滞が2ヶ月になったら、支払いは不可能と覚悟すべきです。
  …… 退去を前提にした行動を開始することが必要です。
  訴訟に頼るのは間違い
  …… 判決までに4ヶ月を要し、執行に3ヶ月を要するのが最速の訴訟です。
  …… その前に、催告期間を設けての内容証明郵便による催促に2週間を要する。
  …… その前に、最低でも2ヶ月分の賃料の滞納が必要になります。
  …… その間、家賃は支払われず、訴訟費用と執行費用の合計は100万円を超えます。
  …… その間に、借家人が入れ替わってしまうと、全てが無駄になります。
  立退料を支払ったとしても早急の解決
  …… 支払いが遅れて損をするのは大家です。
  …… 賃料が支払えない人達と長く付き合っても延滞が増えるだけです。
  …… 立退料を支払ってでも、早急に退去して貰うのが上手な対応です。
  借家人との信頼関係の確保
  …… どちらが正しくても、激させてしまうと、交渉は難しくなります。
  …… 常日頃からの借家人との信頼関係の確保が不可欠です。
  サブリース契約を利用すると返済完了が10年は延びてしまう。
  ……  管理料の適正額について旭化成が宣伝する数字は次です。
      30年間空室リスクのない「おまかせ型」安心プラン
      10年間賃料固定型30年一括借り上げシステム
      ――――― 一括借り上げ ―――――    ―― 代理 ―――
      2年間賃料固定   10年間賃料固定    総合管理システム
       30年契約     30年契約        2年間
       90%       85%〜87%   家賃・共益費の5.25%
  …… 三井不動産系の管理会社が請求するサブリースの管理料は15%です。
     担当者は当然の事ながら個人としては不動産賃貸業を経営した経験を持たない素人。
     資産家をカモとして、自社のブランドを利用し寄ってたかって貪り合う業種の人達。
  …… 保証期間には2年毎の賃料見直しの条件があり、当初賃料が減額される場合が多い。
     国土交通省は「家賃が減る可能性がある」の説明を賃貸住宅管理業者に義務づける。
     サブリースで管理料15%が天引きされたら手取りは当初の家賃の65%や55%。
  …… 入居者は古い設備環境より最新設備の整った他の賃貸物件に引っ越す可能性が高い。
     古い設備の賃貸物件では空室が発生し、家賃も値下げせざるを得なくなる。
     つまり、設備が老朽化していくと悪循環に陥ることになる。
  …… 管理料の相場として、
    @ 賃料の入金確認と請求手続と、滞納(10日遅れ)の保険の請求業務は5%。
    A ◆◆◆の場合の管理料は10%。
    B サブリース契約で空室についても賃料が保障される場合は15%もある。

第5章 建物の管理編


  専従者が必要
  …… アパート投資は、東京電力やJALへの投資とは種類が異なります。
  …… 東京電力やJALへの投資は、投資したら終わりです。
  …… アパート投資は、その後の管理をする専従者1名が必要です。
  …… 事業経営者が片手間にアパート経営を行うことは不可能です。
  …… 事業経営者は、アパート賃貸業ではなく、本業に精を出すべきです。
  メンテ業者との付き合い
  …… 身近で気楽に動いてくれる修理業者を探す。
  …… 水道、電気、内装の3つの業者で十分です。
  請求額はその日のうちに支払う
  …… 同じ金額を支払っても信用はアップする。
  …… 小さな工事なのだから支払いでアピールする。
  アパート管理には日曜大工の心得が必要
  …… 水道のコマや、鍵の取替えぐらいは自分で実行。
  管理には自宅の近場の物件が便利
  …… 蛍光灯が切れていることなどが目に入る。
  …… 汚れ具合や、ゴミの状況等が常に目に入る。
  建物は建て替える時代ではなく、長持ちさせる時代
  …… 古い建物を建て替えて新築しても、家賃の増加は、せいぜい20%。
  …… 賃貸物件は、こまめな修理で寿命を延ばすことが必要です。
  …… ビル塗装や、故障箇所のこまめな修理で、常に新築を維持する。
  外装工事の周期は18年。
  …… 外装工事の周期は10年とするネット情報が多い。
  …… UR都市機構の住宅の耐用の延伸を図るため必要な修繕についての補修方針は次。
     【外壁塗装】 概ね18年以上経過したもので、モルタル等の浮き、亀裂等の著
      しい外壁、共用部分(階下、階段等)を修繕のうえ、棟単位で全面塗装
  …… では、なぜ分譲マンションは12年なのか(マンション管理士 村上智史)
     簡単に言えば、その方が得する(儲かる)ところがあるからです。
  …… 外装費用は500万円単位で費用を要するが税務上は全額が修繕費です。
  ワンルームマンションの一生は次のように進みます。
     @ 女子学生が退去し、
     A OLも入居しなくなり、
     B 男子学生も消えて、
     C 若手のサラリーマンが消え、
     D 派遣社員が住むようになり、
     そしてワンルームマンションは廃屋になる。
     常に、女子学生が入居する環境を確保するのが家主の務め。
  良い循環にするか、悪い循環にするかの経営方針の確認が必要です。
  …… @ 設備にカネをかけると、良い客が集まり、設備にカネがかけられる。
  …… A 客が集まらず、設備にカネがかけられず、良い客が集まらない。
  …… 賃料収入の1割から2割は設備に支出するのが良い循環を生みます。
  …… 賃料や騒音などのアパートのリスクは入居者のレベルの低下に比例します。
  …… 入居者のレベルを下げない為にはカネをかけたメンテナンスが必要です。
  10年に投資額の5%のメンテと20年に10%の修繕費
  …… 経費に落ちる支出を惜しまない。
  …… 20年が経過したらバスやキッチンの取替えを考える。
  …… 家賃を落とせば、まだ貸せるという発想の低価格化は衰退への道。
  …… 自信を持って貸せる物件で差別化を目指さなければ発展がない。
  …… 貸室についてのセンスを磨き、感性を磨き、時代に遅れないことが必要。
  …… 借家人に「良い物件でしょう」と言えるのが家主としての楽しみです。
  …… 建物を貸して賃料を稼ぐのではなく、良い建物を貸して賃料を稼ぐのです。
  時代に合わせてバージョンアップし、常に、改造改良を続ける。
  …… 3点セットのユニットバスを、バストイレ別に作り替える
  …… ウォシュレットは不可欠ですが、3点セットでは使えない。
  …… 入居する人達は、自宅ではウォシュレットを使った生活をしています。
  …… 3点セットのユニットバスを入れ換えるコストは200万円。
  …… 追い炊きができない風呂を、追い炊きができるように改良する。
  …… その改良費が200万円。
  …… 畳やじゅうたんの部屋は原状回復費用が高く付くように見えて賃貸には不利。
  …… 築20年が経過したら収入の20%はメンテ費用に消えると覚悟すべき。
  …… 採算に乗らなくても必要なのがバージョンアップです。
  改造と改良は採算が取れるか。
  …… 200万円をかけたら、回収するのに2年を要してしまう。
  …… 採算は、一部屋単位で考えずに、全体の収入と比較すべき。
  …… 1年に一部屋、あるいは3部屋の改良なら全体収入で負担することが可能。
  …… 改良のメリットは、客層が良くなることと、入居が早まること。
  …… メンテせずに家賃を下げる方が効率は良いが、客層が落ちてストレスが溜まる。
  …… 借り手の立場で考えれば、一時代前、二時代前の物件に入居しようとは思わない。
  …… 借り手はネットで検索するが、その条件にはバストイレ別、追い炊きの項目がある。
  メンテは大会社に依頼するか、地場の中小か
  …… 大会社は工賃は高くなるが、キッチンやバスユニット等の仕入が安い。
  …… 下請けは、常時発注する大会社を見ながらキチンとした仕事をする。
  …… 不良箇所など、大会社への依頼なら、下請けは、即、対応する。
  電気のスイッチなどが時代を語ってしまう
  …… 電気のスイッチなどの小さな部品が建物の古さを語ってしまう
  …… 小さな金額なのだから、常に、新しさを作り出す。
  …… マンションの入口ドアなどは、古くなったら取り替えてしまう。
  …… 入居者の退去時には照明を取り替える(1万円以下のメンテで印象は変わる)。
  必要なのは建物に対する美意識とセンス
  …… 家主も、時代の進歩に合わせ、美意識を磨く必要がある。
  …… 改良は女性の視点で行う。
  …… 大きな鏡を壁に取り付ける。
  …… シャワーヘッドにも、キッチンにも、フックにさえセンスによる違いが生じる。
  入居者には最初に建物の使用説明書を渡す
  …… ゴミ出し日や、浴槽の換気扇を使用すること等を使用説明書で伝える。
  …… うるさい大家だと最初から理解してもらう。
  …… 学生などの入居者は、賃借物件の利用の経験がない1年生。
  …… 住まいを自分で管理し、使用する方法は教えなければ理解できない。

第6章 資金編


  不動産投資を始めるべき年齢
  …… 35才、遅くとも40才。
  …… ホップ、ステップ、ジャンプには30年を要する。
  頭金30%は不可欠です
  …… 全額の借金が可能なら、誰でも実行できてしまう。
  …… 30年ローンでは、返済する前にメンテ費用が必要になってしまう。
  …… 35年ローンなどは業者による詐欺商法であって、倒産への一里塚です。
  …… 可能なら15年、最長でも20年で完済する必要がある。
  …… 水道のメーターの取替え(8年毎)を3回の年数で水回りは壊れ出します。
  …… 最長でも24年以内にローンの返済を終えないと修理費とのダブル支出になります。
    【実例】
  ┌───┬───┬────┬────┬───┬───┬────┬────┐
  │   │ A │ B  │  C  │ D │ E │ F  │ G  │
  ├───┼───┼────┼────┼───┼───┼────┼────┤
  │ 収入 │  590│  1860│  1860│  330│  330│   201│   331│
  ├───┼───┼────┼────┼───┼───┼────┼────┤
  │修繕費│  123│   401│   270│  61│  61│   99│   198│
  ├───┼───┼────┼────┼───┼───┼────┼────┤
  │ 割合 │ 21%│  22%│  15%│ 18%│ 18%│  49%│  60%│
  ├───┼───┼────┼────┼───┼───┼────┼────┤
  │取得費│ 2000│  8000│  8000│ 2700│ 2700│  2000│  2000│
  ├───┼───┼────┼────┼───┼───┼────┼────┤
  │ 割合 │  6%│   5%│   3%│  2%│  2%│   5%│  10%│
  ├───┼───┼────┼────┼───┼───┼────┼────┤
  │ 構造 │木 造│金属造 │金属造 │軽量鉄│軽量鉄│木 造 │木 造 │
  ├───┼───┼────┼────┼───┼───┼────┼────┤
  │経過年│  28│   21│   23│  22│  23│   24│   25│
  ├───┼───┼────┼────┼───┼───┼────┼────┤
  │   │8室の│    │    │   │   │4室のう│    │
  │ 修繕 │うち2│リフォー│5室リフ│リフォ│リフォ│ち1室リ│1室リフ│
  │ 内容 │室リフ│ム、屋根│ォームほ│ームほ│ームほ│フォーム│ォーム、│
  │   │ォーム│断熱ほか│か   │か  │か  │他   │外壁塗装│
  │   │ほか │    │    │   │   │    │    │
  └───┴───┴────┴────┴───┴───┴────┴────┘

  不可欠なのが稼ぐ亭主
  …… 賃貸業でカネを残すのではなく、賃貸業にカネを注ぎ込む。
  …… 働く30年で賃貸業にカネを注ぎ込み、働かない30年の収入を確保。
  居住用住宅の寿命はサイクル年数(ストック全てが入れ替わる年数)で考えると30年。
   …… 米国が103年、英国が141年(早稲田大学小松幸夫が「住宅問題研究」)。
      区間残存率推計法で平均寿命を比較すると日本は40年前後で、米国は100年。
  調整の法則があります
  …… 自分で稼げる金額までの資産しか、運用できない。
  …… 相続した資産で、ビル投資をするのは間違い。
  …… 自分で稼いだカネで賃貸ビルを取得し、相続人に残す。
  30年ローンに騙されない
  …… 20年で返済すべき借金を30年にしているだけです。
  …… 仮に、家賃が月額50万円の場合でも、返済期間が30年なら余剰が出ます。
     20年返済の場合の月額返済額は55万円で、マイナス5万円の場合でも、
     30年返済の場合の月額返済額は40万円で、10万円の余剰が確保できる。
  20年で終えるべきがアパートローン
  …… 20年を超えると、建物が時代に遅れて、入居者の確保が難しくなります。
  …… 20年を超えると、社会が変化し、建築当時の予想との狂いが生じてきます。
  …… 20年を超えると、メンテのための費用がかかりだします。
  …… アパートローンは、最長でも20年で返済を終えるのがリスク回避です。
  借上保証で騙されない。
  …… 30年の借上保証でも、家賃は5年経過後に見直します。
  …… 借上保証で建築工事を受注し、工事で稼ぐ業者がいます。
  所有地へのアパート建築で騙されない
  …… 土地のコストを無視した採算計算です。
  …… 所有地を売却した場合との収支を検討すべきです。
  自宅と合わせてのアパート建築は採算性を見えなくする
  …… 自宅にアパートを併設しても、それで収益性が増すことはありません。
  ビルの最上階に自宅を建築するのは破綻への一里塚
  …… 自宅の敷地だったのだから、自宅スペースの確保は当然と考える思い込み。
  …… 鉄筋の建築費は非常にコストが高いので、自宅部分の建築費は大きな負担です。

第7章 所得税の申告


  収入
  …… 賃料収入の計上時期
  …… 賃料の回収不能と更正の請求
  …… 保証金の消却と益金計上の時期
  …… 建設協力金の免除を受けた場合
  経費
  …… 利息、特に、相続を経由した場合の借入金と利息
  …… 不動産所得で欠損が生じる場合の利息の処理
  …… 修繕費と資本的支出の区別
     【実例】
     取得価額9000万円のマンションに対して同一年度に次の修繕を実施した。
     @ 2室について300万円のリフォーム
     A 10室について150万円のリフォーム、
     7−8−4(形式基準による修繕費の判定)を適用して全額を損金計上して是認。
      (1) その金額が60万円に満たない場合
      (2) 固定資産の前期末における取得価額の10%相当額以下である場合
  …… 減価償却方法の選択
  …… 同族の管理会社への管理手数料の支払いと是認額
  …… 専従者給与の支払いと、それが否認された共有事例
  相続税
  …… 小規模宅地になる要件
  …… 保証金についての債務控除 申告

第8章 これからのアパート経営


  新規にアパート経営を始める時代は終わったのだと思う
  …… 昭和の時代は、賃料の他に、土地の値上がり益が確保できた。
  …… 平成20年迄は、失敗した家主からの中古物件の提供があった。
  …… 平成20年以降、土地を取得してのアパート投資は採算性が確保できない。
  …… 土地を持つ者がアパートを建築した場合でも建築費の回収には15年を要する。
  …… 15年間の借金を抱え、空き室リスクを負担するほど賃貸業は有利ではない。
  …… 15年の借金をせず、土地を売却した方が、よほど手元資金は潤沢になる。
  アパート投資は事業になったのだと思う
  …… 高齢な家主が木造アパートを賃貸するのが一昔前のアパート業界だった。
  …… コガネ持ちが小綺麗なワンルームを賃貸するのが次の時代の業界だった。
  …… これからのアパート賃貸業は、客商売としての常なる革新が要求される。
  …… アパートを取得したときに終わるのではなく、それからがスタートと考えるべき。
  …… 60歳までの働く30年は体で働き、その後の30年は資産に働いて貰う。
  …… 働いて貰える良い資産を確保することが、その後の30年には必要です。
  …… 自宅、現金、定期収入が、老後の財産三分法です。
  …… 賃貸業にも不安はありますが、しかし、老後の対策は賃貸業の他に存在しません。