電子申告のスケジュールと手続(佐藤)


■電子申告のスケジュールと手続き

◆開始までのスケジュールと手続きについて


 来年2月から名古屋国税局管内を皮切りに電子申告が開始します。スケジュールについては、左表の通りです。*表中の「名」は名古屋国税局管内を、「全」は全国の国税局を意味します。電子申告をするには、まず、「電子申告・納税等開始(変更等)届出書」に住民票の写し等を添付して税務署に提出します。

     15/11/4 16/2/23/224/16/1
電子申告の開始届     名  |  
所得税・個人の消費税     名  
法人税・法人の消費税
全税目の納税・申請・届出

 また、事前に電子認証局から電子証明書を取得しておく必要があります。開始届出書を提出後、税務署から電子申告を利用するために必要な利用者識別(ID)番号と暗証番号そしてe−Taxソフトが送付されます。セキュリティ対策上、送付された暗証番号を変更し電子証明書等を登録して、事前準備は完了です。申告自体は、e−Taxソフト(又は市販の対応機能付のソフト)で申告書等のデータを作成して、利用者の電子署名等を添付した上でデータを送信するという手続きになります。


◆電子申告の注意点


 ml上で指摘された、電子申告を利用するにあたっての注意点を、いくつか紹介します。


 1)申告可能な時間が確定申告の時期でも平日の午前9時〜午後8時に、確定申告時期以外では平日の午前9時〜午後6時に限定されていて、土日や深夜の時間帯を利用しての申告はできません。

 2)電子申告を利用しても、医療費控除に使う領収書などの添付書類は、実物を直接又は郵送で税務署に別途提出しなければいけません。

 3)申告した後で、税務署から通知される「受信通知」自体は申告書の控えとしての効力を発しません。従って、例えば金融機関から融資を受ける際など、今までは申告書の控えを提出すれば良かったのですが、電子申告を利用した場合、これが出来なくなる恐れがあります。

 4)電子証明書がICカード形式で交付される場合には、ICカードを読み込むためのICカードリーダ(税理士が利用するタイプのもので14万円程度)を別途購入する必要があります。


◆電子申告への対応


 運用開始が迫ってますが、このような注意点を十分考慮した上で、電子申告に臨む必要があります。また、これまで通り、申告書をプリントして郵送する方法も存続しますので、われわれ実務家としては、しばらく静観するのも一案です。


             taxMLグループ(税理士 佐藤 増彦)