《1》は丸数字になります。
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清算確定申告書の時間的な矛盾
会社が清算をするとき、商法及び税法における残余財産確定後の清算事務は、次のような手順になります。
商法の流れからすれば、通常は、「債権の取立てが終了し、かつ、全ての債務を完済した日」が《1》の残余財産の確定の日になるのですが、税務の実務において、この日付の前後関係が入れ替ってしまうことがあります。
法人税法104条では、清算確定申告書の提出期限について次のように定めています。
《2》の消費税等の申告書の提出によって消費税などが還付される場合は、還付金は、当然のことながら《3》の残余財産の分配金に含める必要がありますので、分配より先に税務申告を済ませておく必要があります。
しかし、《2》を提出する際には、本来分配後に作成される《4》の議事録の添付と、《5》の登記が完了したことを証明するための閉鎖事項全部証明書の提出を税務署に求められる場合があります。
税務実務を意識しない商法と、商法上の確定を意識しすぎる税法との擦れ違いによって、このような時間的矛盾が生じてしまうようです。
さて、実務家として、《2》と《4》、《5》の手続の前後関係についてどのように理解すべきでしょうか。これをメーリングリストに質問したところいくつかの経験談が寄せられました。
その議論の中でわかったことですが、《5》の清算結了登記を要求する税務署もあれば、登記手続までは要求せずに《4》の株主総会の議事録の提出を要求する税務署もあり、統一した見解がないのが実情だということです。
実務としては、《2》税務署へ清算確定申告書と消費税申告書を提出する際には、株主総会議事録の写しを添付するか、あるいは清算結了登記を済ませた閉鎖登記簿謄本を添付しておくと清算事務がスムーズに行われるようです。
taxmlグループ(税理士 中弥和美)