税法が一番(その3)

 取得時効について、その要件を学生に説明することは容易です。

 しかし、組織再編成における青色欠損金の引き継ぎ要件を学生に説明し、その思想を理解してもらうことは不可能です。

 つまり、民法は大学生の学問ですが、税法は実務家でなければ理解できない学問なのです。

 さらには、民法の場合は、理論が分かれれる交差点の位置は、既に、ほとんどが解明されています。そして、積極説、消極説、折衷説の3つがあり、多くの交差点には、「判例は右」と、矢印が書いてあります。そして、判例があれば、裁判官も、弁護士も、思考停止です。

 商法や、会社法の場合は、交差点については、全て、答が準備されています。答が準備されていなければ、商業登記は行えず、株主総会は開催できません。答のない箇所は、いずれにしろ、問題は発生せず、実害のない箇所です。

 でも、税法には交差点がありません。道のない砂漠地帯を歩くが如しです。そして、地雷が埋めてある。何しろ、いままで問題点として意識されないところに、問題があるのです。そして、地雷は、毎年、4月1日に大量に埋め込まれます。

 だから、税法が一番なのです。




税法が一番(その1)
税法が一番(その2)
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