税法が一番(その4)
税法の知識水準について、税理士よりも、弁護士の方が上か。議論するまでもありません。弁護士は、税法の書籍は一冊も読んでませんし、多分、税法の条文を読んだことがない弁護士が大部分です。そして、弁護士は、自分には税法が理解できないことを知っています。
税法の知識について、税理士よりも、公認会計士の方が上か。これは弁護士の場合と同じです。ただ、会計士は、自分には税法が理解できないことを知らないだけです。
税法の知識について、税理士よりも、税務職員の方が上か。確かに、上に感じるところはありますが、でも、これは、税務職員が、理論ではなく、事実で戦うからです。「売上の計上漏れがあるか、経費の過大計上はないか」という事実での戦いです。事実での戦いなら、素人でも、同様に戦えます。それと、税務職員の場合は隣の同僚と税法の議論をすることができます。それに比較し、taxMLに属さない税理士は孤独です。
税法の知識ついて、税理士よりも、裁判官の方が上か。説明するまでもないと思います。では、なぜ、裁判官は判決が書けるのか。それは3年間も、原告代理人と、被告代理人から教育を受けるからです。だから、原子力事故の事件も、船の衝突事件も、医療過誤についても判決が書けます。しかし、実感は分かりません。税理士が、仮に、10年間、税法の勉強をしても、税法の実感が、未だに分からないほど、税法の理論は深いからです。
税法の知識について、税理士よりも学者の方が上か。上に感じることがありますが、それは、学者が、自分に有利な場面で税法を語るからです。たとえば、判例の紹介と分析です。裁判になり、判決で論じられていることですから、判例を詳細に読めば、理屈も答えも書いてあります。そして、その判例を、自分の思想では批判することができない学者が大部分です。
だから、税法については税理士が一番なのです。
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