会社法
基本的な理念を理解してしまおう
◆会社法の特徴
発表された会社法の条文は、理解すれば理解するほど、私にも信じられない内容です。商法とは全く異なりますし、今まで私達が理解してきた会社制度の理屈とも異なります。
私どもが商法を学習したときは、会社法の基本原理は、株主平等であり、債権者保護でした。商法の解釈が分からなくなったときは、株主平等であり、債権者保護を念頭に解釈すれば良かったわけです。
しかし、会社法では株主平等は完全に消滅してしまいました。債権者保護も相当に変質しています。会社には取締役会があり、監査役がいたのですが、それが無くなってしまいました。
転換社債、あるいは新株引受権付社債というものがありました。債権者が株主になるシステムです。しかし、逆に、株式が社債になることはあり得ませんでした。何しろ、株主は出資者であり、会社の持主です。1株でも株式を所有していれば、会社から追い出されることはあり得ませんでした。しかし、会社法では、株主は簡単に追い出せるようになってしまいました。
今日の講演を聴いても、たぶん、「あっ、関根は嘘をついている」という印象しか残らないと思います。私自身も、自分の理解が信用できていません。さて、総論の話は役に立ちませんので、会社法の各論に進めさせていただきます。
ただ、会社法は、現時点では誰も実践していません。何しろ、平成18年4月1日が施行期日と予定されている条文で、現時点では一冊の解説書も出版されていません。その為、残念ながら、実務から語ることも、また、他の人達の意見を紹介することもできません。条文から理解した会社法の説明です。
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