会社法
 基本的な理念を理解してしまおう


◆会社法の特徴

 発表された会社法の条文は、理解すれば理解するほど、私にも信じられない内容です。商法とは全く異なりますし、今まで私達が理解してきた会社制度の理屈とも異なります。

 私どもが商法を学習したときは、会社法の基本原理は、株主平等であり、債権者保護でした。商法の解釈が分からなくなったときは、株主平等であり、債権者保護を念頭に解釈すれば良かったわけです。

 しかし、会社法では株主平等は完全に消滅してしまいました。債権者保護も相当に変質しています。会社には取締役会があり、監査役がいたのですが、それが無くなってしまいました。

 転換社債、あるいは新株引受権付社債というものがありました。債権者が株主になるシステムです。しかし、逆に、株式が社債になることはあり得ませんでした。何しろ、株主は出資者であり、会社の持主です。1株でも株式を所有していれば、会社から追い出されることはあり得ませんでした。しかし、会社法では、株主は簡単に追い出せるようになってしまいました。

 今日の講演を聴いても、たぶん、「あっ、関根は嘘をついている」という印象しか残らないと思います。私自身も、自分の理解が信用できていません。さて、総論の話は役に立ちませんので、会社法の各論に進めさせていただきます。

 ただ、会社法は、現時点では誰も実践していません。何しろ、平成18年4月1日が施行期日と予定されている条文で、現時点では一冊の解説書も出版されていません。その為、残念ながら、実務から語ることも、また、他の人達の意見を紹介することもできません。条文から理解した会社法の説明です。
   目  次

第1編 総則
 第1章 通則
   ◆はじめに
   ◆会社法の特徴
   ◆会社法の構成
   ◆公開会社との定義
   ◆取締役会設置会社
   ◆有限会社の位置付け
   ◆公開会社か否かと会社の分類
   ◆会社法の基本原型
 第2章 会社の商号
   ◆会社の商号
 第3章 会社の使用人等
   ◆会社の使用人
 第4章 事業の譲渡の競業の禁止
   ◆事業の譲渡の競業の禁止

第2編 株式会社
 第1章 設立
   ◆株式会社の設立
   ◆最低資本金制度
   ◆定款の作成
   ◆発行可能株式総数
   ◆募集設立の手続
 第2章 株式
  第1節 総則
   ◆株式の定義
   ◆株式の内容
   ◆種類株式

 =校正作業中(10分の2)=

   ◆9個の種類株式の内容
   ◆UFJが発行した優先株式
   ◆種類株式の具体的な適用場面
   ◆株主について特別の定め
  第2節 株主名簿
   ◆株主名簿
  第3節 株式の譲渡等
   ◆株式の譲渡
  第4節 自己の株式の取得
   ◆譲渡を承諾する機関
   ◆自己株式の取得
   ◆自己株の取得の取締役の授権
   ◆特定株主からの自己式の取得
   ◆相続人からの自己株式の取得
   ◆取得請求権及び取得条項株式
   ◆相続人に対する売り渡し請求
   ◆株式の消却
  第5節 株式の併合等
   ◆株式の併合と株式の分割
  第6節 単元株式数
   ◆単元株式数
  第7節 株主に対する通知の省略等
   ◆株主への通知の省略
  第8節 募集株式の発行等
   ◆株式の発行
   ◆デット・エクイティ・スワップ
  第9節 株券
   ◆新株の発行
  第10節 雑則
 第3章 新株予約権
   ◆新株予約権
 第4章 機関
  第1節 株主総会及び種類株主総会
   ◆株主総会
   ◆種類株主総会
  第2節 株主総会以外の機関の設置
   ◆取締役は1人で充分
  第3節 役員及の選任及び解任
   ◆役員の選任と解任
  第4節 取締役
  第5節 取締役会
   ◆取締役会での書面決議
  第6節 会計参与
   ◆会計参与という制度
   ◆会計監査人よりも危険な立場
   ◆粉飾は小さな金額から始まる
   ◆使い込みも会計参与の責任
   ◆粉飾も逆粉飾も税理士の責任
   ◆会計参与の報酬
  第7節 監査役
  第8節 監査役会
  第9節 会計監査人
   ◆監査役と監査役会、会計監査人
   ◆役員等の損害賠償責任
   ◆株主代表訴訟の原告適格
   ◆役員の損害賠償額の限定
   ◆株主代表訴訟の被告



 第5章 計算等
  第1節 会計の原則
  第2節 会計帳簿等
   ◆会社の計算
  第3節 資本金の額等
   ◆資本等の金額
   ◆剰余金の金額
   ◆減資手続
   ◆準備金の減少手続
   ◆株主拠出金と留保利益の区分
  第4節 剰余金の配当
   ◆剰余金の分配
   ◆会社法と会計、それに税法
   ◆剰余金の配当
  第5節 配当を決定する機関
  第6節 配当等に関する責任
 第6章 定款の変更
   ◆定款変更
 第7章 事業の譲渡等
   ◆事業の譲渡等
 第8章 解散
   ◆解散
 第9章 清算
   ◆清算と特別清算

第3編 持分会社
 第1章 設立
   ◆持分会社
   ◆合同会社と有限責任事業組合
   ◆合同会社は無責任
   ◆持分会社の資本金
   ◆持分会社間の組織変更
 第2章 社員
   ◆法人も無限責任社員
 第3章 管理
 第4章 社員の加入及び退社
 第5章 計算等
  第1節 会計の原則
  第2節 会計帳簿
  第3節 計算書類
  第4節 資本金の額の減少
  第5節 利益の配当
  第6節 出資の払戻し
  第7節 合同会社の関する特則
   ◆合同会社の減資
   ◆合資会社の利益配当
 第6章 定款の変更
   ◆定款の変更
 第7章 解散
 第8章 清算

第4編 社債
   ◆社債

第5編 組織変更、合併
 第1章 組織変更
   ◆組織変更
  第1節 通則
  第2節 株式会社の組織変更
  第3節 持分会社の組織変更
 第2章 合併
   ◆合併
   ◆三角合併
  第1節 通則
  第2節 吸収合併
  第3節 新設合併
 第3章 会社分割
   ◆会社分割
   ◆税法の適格要件
  第1節 吸収分割
  第2節 新設分割
 第4章 株式交換及び株式移転
   ◆株式交換、株式移転
  第1節 株式交換
  第2節 株式移転
 第5章 組織変更、合併、会社分割
   ◆分割型分割の消滅
   ◆差損が生じる場合の合併
  第1節 組織変更の手続
  第2節 吸収合併等の手続
  第3節 新設合併等の手続
第6編 外国会社
   ◆外国会社と訴訟、雑則、罰則
第7編 雑則
第8編 罰則